沖縄がハワイに勝てない理由
沖縄を訪れる観光客数は増加を続けており、ハワイに迫りつつあるといわれています。
一方で観光消費額はハワイの4割程度にとどまっており、ひとりの観光客が消費する額が伸び悩んでいるという現状も。りゅうぎん総合研究所は14日、「ハワイの観光と沖縄」と題する調査結果を発表し、その状況をレポートしています。
| 沖縄 | ハワイ | |
| 入域観光客数 | 939万6200人 | 940万4346人 |
| 観光消費額 | 6948億200万円 | 1兆8826億円 |
| 1人あたりの消費額 | 7万3945円 | 19万8699円 |
| 滞在日数 | 3.65日 | 8.94日 |
| 1人1日あたり消費額 | 2万258円 | 2万2310円 |
上記の表を見てみると、これまでいわれていたほど1人あたりの消費額に違いはなく(少なくとも1日あたり消費額には大差がない)、むしろ滞在日数の差が、1人あたりの消費額の差を生じさせているようです。
ハワイを訪れた観光客は、沖縄を訪れた観光客より約2.5倍長く滞在しており、その差がハワイと沖縄の観光収入の差となっているようなのです。りゅうぎん総研は沖縄がハワイの水準に近づくためには、より多くの観光客の受け入れが必要だとしていますが、それだけでは限界がありそうです。那覇空港が改装されて輸送能力が向上するため、相当程度の観光客増も見込まれますが、それに加えて長期滞在ができる環境を整えていくことも必要となりそうです。
また、観光客が増加しすぎることで、地域住民の観光に対するストレスが増加し、いわゆるオーバーツーリズムが問題となりつつあります。同時に、こういった問題への対処も必要となるでしょう。
(注)表はりゅうぎん総研レポートより。2017年の沖縄とハワイの比較データで、対ドルレートは112円。

